【EC基礎知識】ターゲットマーケティング入門|STP分析で狙う市場の決め方

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コロナ禍以降、国内EC市場の伸びに合わせて、Amazonの出品者数やカタログ数(商品数)も増加傾向にあることが予想されます。

増加することで、一般ユーザーとしては欲しいものが手に入る場所として、満足のいくショッピング体験ができるものの、出品者としては競合企業や競合商品がAmazon内にますます増え、競争が激化しているのが事実です。

毎年、国内ECの市場規模は更新され拡大基調にある状況ですので、当面の間は競争の緩和は期待できません。

今回の記事では、競争激化に対応するための基本フレームとして、EC運用/Amazon運用でも活用できる「ターゲットマーケティング」の考え方について解説いたします。

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昨今のEC市場の潮流

経済産業省『令和6年度 電子商取引に関する市場調査 報告書』によると、2021年以降の成長率は急成長したコロナ以降は全体を通して成長が鈍化しているものの、毎年市場規模は拡大基調で更新しています。

成長している市場では新規参入が積極的となり、企業間の競争が激しくなるのが一般的です。Amazon出品においても同様のことが言えるでしょう。

こうした競争環境下で、企業が業界内で取るべき戦略は、該当する市場(市場での立ち位置)の占有率に基づき下記の通りに分類されます。

業界の大手企業(リーダー、チャレンジャー)はシェアを高める戦略が必要とされますが、中小規模(フォロワー、ニッチャー)は基本的には ” 棲み分けの戦略 ” を取る形となります。

※市場での立ち位置を基準として一般的に以下のように分類されます。

  • 大手企業:リーダー(Leader)
  • 大手〜中堅の伸びてる企業:チャレンジャー(Challenger)
  • 中小企業(追随する側):フォロワー(Follower)
  • 特定領域に特化した企業:ニッチャー(Nicher)

■ 基本となる4つの競争地位と戦略

① リーダー(市場支配者)戦略

定義:市場シェア最大の企業
目的:市場支配の維持・拡大
主な戦略
  ・新規需要の開拓
  ・競合の攻勢への防衛
  ・ブランド強化・規模の経済活用
例:コカ・コーラ、トヨタ

② チャレンジャー(挑戦者)戦略

定義リーダーに次ぐ地位
目的:リーダーからシェアを奪う
主な戦略
  ・価格攻撃
  ・商品差別化
  ・新技術・新市場への進出
例:Pepsi(対コカ・コーラ)

③ フォロワー(追随者)戦略

定義:積極的に争わず安定利益を狙う
目的:リスクを抑えて市場に追随
主な戦略
  ・倣戦略
  ・コスト削減
  ・ニッチ補完
例:スズキ(対トヨタ)

④ ニッチャー(隙間市場専門者)戦略

定義:特定の小規模市場に特化
目的:専門性で高収益確保
主な戦略
  ・高付加価値
  ・専門ブランド構築
  ・顧客密着
例:高級腕時計ブランドなど

ターゲットマーケティング(STP分析)

棲み分けの戦略を設計するうえでの基礎には、「ターゲットマーケティングの考え方」が必要となります。

ターゲットマーケティングは、マスマーケティングと対比する考え方で、マスマーケティングが市場の消費者を単一のものと考えて、同じ商品を大量に投入していく手法を指します。

一方で、ターゲットマーケティングは市場の多様性に対応する形で市場を細分化し、その中から標的となる市場に対して、マーケティング活動をおこなうことを指します。

ターゲットマーケティングの手法は、「STP分析」というフレームワークを用いて進められます。

下記の3段階で整理できます。

第1段階:マーケットセグメンテーション(Segmentation )

  • 市場細分化の基準を明らかにする
  • 市場セグメントの輪郭を明らかにする

第2段階:市場ターゲティング(Targeting )

  • 市場セグメントの魅力度を測定する方法を開発する
  • 標的セグメントを選択する

第3段階:市場ポジショニング(Positioning )

  • 各標的セグメントにおけるポジショニングを行う
  • 各標的セグメントのマーケティングミックス戦略を策定する

マーケットセグメンテーション

第1段階の「マーケットセグメンテーション」は、市場を一定の規模を保ちながら、且つ同質的なニーズを持つ消費者の集合に区分していく手法です。

細分化を行う際の基準は下記の通りです。細分化された市場は市場セグメントと呼称します。

■ 主な市場細分化の基準

① 地理的変数

国・地域・都市規模・気候など
例:都市部向け、寒冷地向け商品

② 人口動態変数

年齢・性別・所得・職業・学歴・家族構成
例:20代女性向け化粧品

③ 心理的変数

価値観・ライフスタイル・性格
例:健康志向層、環境意識層

④ 行動変数

使用頻度・購買動機・ブランドロイヤルティ
例:ヘビーユーザー向けサービス

市場ターゲティング

市場を細分化した後は、第2段階でどの市場セグメントを狙うのか選定します。

市場セグメントの選定方法には、代表的なものでいうと「コトラー式」と「エーベル式」に大別されますが、今回は「エーベル式」を紹介します。

エーベルは標的市場の考え方を、次の5つに分類しています。

  • 全市場を対象とする「全市場浸透型
  • 絞り込んだ市場を対象とする「単一セグメント集中型」「製品専門型」「市場専門型」「選択的専門型

※上図指標は以下のとおり

  • P:プロダクト
  • M:マーケット

つまり、上図を説明すると以下のようになります。

  • 単一セグメント集中型:特定の市場(M1)を特定の製品(P1)だけで狙う
  • 製品専門型:1つの製品を軸に、複数市場へ展開
  • 市場専門型:1つの市場を軸に、複数製品を展開
  • 選択的専門型:複数の市場×製品の組み合わせを選んで狙う
  • 全市場浸透型:全市場×全製品を狙う

市場ポジショニング

市場ポジショニングとは、競争上の位置づけを意味し、製品間の競争の中で、いかにして自社製品が競合製品と差異を図り優位に立つかを検討することを指します。

ターゲットマーケティングの最終段階としてポジショニングを行い、競争市場で自社の占めたい位置を決定します。

ポジショニング分析では、消費者が意識する製品に近く、上の位置づけを表すポジショニングマップを作成し、製品の相対的な知覚上の位置づけを分析し、競合との距離感や、狙うべき差別化ポイントを整理し評価していきます。

ここまで行ってきた、ターゲットマーケティングの分析結果を基に、Amazonの検索キーワードや商品名のキーワードの選定や、画像等のクリエイティブを作成する際の傾向の調整を行うことで、よりターゲットの志向にあったマーケティング活動に繋がり、競合との不要な競争を回避することが出来ます。

まとめ

本ブログでは、ターゲットマーケティングに関する基礎的な考え方や分析手法を中心に解説いたしました。

ここまでの内容を纏めると以下の通りとなります。

  • 昨今のEC市場の潮流は、市場の拡大に伴い競合との市場競争が過熱する傾向にある
  • Amazonにおいても、競合との差別化が競争回避につながる
  • ターゲットマーケティングの手法は市場の多様性に対応する形で市場を細分化し、その標的となる市場に対して、マーケティング活動をおこなうこと
  • マーケットセグメンテーションは市場を一定の規模を保ちながら、且つ同質的なニーズを持つ消費者の集合に区分していく手法
  • 市場を細分化したのち、市場セグメントを選択する
  • ポジショニング分析では、消費者が意識する製品の近く上の位置づけを表すポジショニングマップを作成し、製品の相対的な知覚上の位置づけを分析し、評価する
  • ターゲットマーケティングの分析結果を基に、Amazonの検索キーワードや商品名のキーワードの選定や、画像等のクリエイティブを作成する際の傾向の調整を行うことで、よりターゲットの志向にあったマーケティング活動に繋がり、競合との不要な競争を回避することができる

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